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第13話

日曜の夜:別々の部屋で同じ気持ち (愁) ひさしぶりに1人の部屋で過ごす週末の夜。
 タカヤと再会する前は、 こんな夜が当たり前だったはずなのに……。
 ソファーに寝転んでいても、 ベッドに潜っても、 気づけば思い出すのはタカヤの笑顔や声ばかり。
 「……もう離れられないな」
 胸の奥で、静かにそうつぶやいた。 もう認めよう。 タカヤのことが好きだ。 (タカヤ) 
夜、風呂から上がり、 冷えたビールを開ける。 
1人で飲むのは久しぶりだ。
 けれど、不思議と寂しくはなかった。 
なぜなら愁のことを考えているだけで、 胸の奥が熱くなるから。
 「……もう少しだな」
 グラスを傾けながら、 自分の気持ちが揺るぎないことを改めて実感する。
 奪うんじゃなく、 愁と一緒に歩んでいきたい。

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