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第20話

愁の言葉が落ちた瞬間、 部屋の空気が静まり返る。
 タカヤは思わず息をのんで、愁を見つめ返す。 「……愁……」 驚きと、信じられない気持ちと、 胸の奥からせり上がる熱が混ざって、 すぐには言葉が出てこない。
 一瞬の沈黙。 けれど、次の瞬間にはタカヤの表情がほどけて、 目尻が赤く染まる。
 「……そんなの……嬉しいに決まってるだろ」 立ち上がって、愁を強く抱きしめる。 腕の中の温もりがたしかで、鼓動がはっきりと重なる。 「愁……俺だって同じだよ。離さない。絶対に」 タカヤの声は震えていた。 それは泣き笑いのようで、愁の胸に真っ直ぐに響いた。 
タカヤは嬉しそうに愁の手を引き寝室へ (ベッドで服を脱ぎ合い、下着越しに触れ合う2人) タカヤの手が愁の下腹に滑り、パンツの中に潜る。
 その瞬間、指先に触れた異物にタカヤの動きが止まった。 タカヤ:「……え、これ……っ?」
 愁:「……バレちゃったか」 (少し赤面しながらも目を逸らさずに) タカヤはごくりと喉を鳴らし、手を止めたまま見つめる。
 タカヤ:「え?コレって、プラグ……? 愁、……最初から……」 愁:「……そう。今日を、ちゃんと迎えるつもりで仕込んできた」
 (息を整えながら)
 「俺、本気で覚悟してる。……タカヤと一緒に、生きてくって決めたから」 タカヤは目を潤ませながら笑う。


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