23 / 28

第23話

(愁・挿入直後) ゆっくりと、 奥へ奥へと沈んでくる熱。
 「……っは、あ……」 声が漏れる。 痛みはほとんどない。 ただ、重さと違和感。 そして── なにより、満たされていく幸福感が胸に広がっていく。 タカヤは途中で止めてくれて、 俺の表情をじっと見つめている。
 「……大丈夫?」
 「……うん、痛くない。ちょっと……重い、けど」 
「そっか……。じゃあ、馴染むまで待とう」 動かないまま、ぎゅっと抱きしめられる。
 心臓の音が重なって、鼓動が速くなっていくのが分かる。
 それでも彼は、すぐには動かない。 俺の身体が受け入れるのを待ってくれている。 その優しさに、胸がいっぱいになる。 
──ここまでして、俺を大事にしてくれるんだ。 少し腰を揺らしてみると、中でぐっと擦れて、思わず声が漏れる。
 「……っ、あ……そこ、だめ……」 
奥に引っかかる硬さ。 シコリのように存在を主張して、 押されるたびに前から熱が滲み出す。
 自分でも驚くくらい、反応が早い。 タカヤが気づいたように、小さく笑った。 
「……今、気持ちいいとこ、当たった?」
 「……っし、知らない……!」 
必死に顔を背けても、腰の奥が答えてしまう。 穴はきゅっと締まり、逆に彼を強く咥え込んでしまっていた。 「……愁、すげぇ……。中が、俺を離さない」 
低い声が耳元に落ちてきて、ますます熱くなる。

ともだちにシェアしよう!