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第27話

(日曜・ブランチ) サンドイッチとサラダのデリバリーを前に、ソファでくっついて座る2人。
 フォークを持ったまま愁はぼやく。
 「朝からこんなに食べたら太るな」
 「いや、愁はもっと食べていいくらいだよ。昨日、あんなに燃料使ったんだから」
 「ちょっ……そういう言い方やめろ」
 頬を赤くする愁に、タカヤはにやけ顔を隠そうともしない。 ──穏やかで、少し照れくさくて。
 それでも昨日より確かに近づいた距離感が心地よかった。 (午後・ディナー準備) タカヤ:「夕飯はちょっといいレストラン、予約しちゃった」
 タカヤが得意げに言う。
 愁:「えっ……何着ていけばいいの」
 タカヤ:「安心しろ、全部付き合うから」 美容院で下ろされ、 美容師にオーダーを伝えタカヤは用があるらしく店を出て行く。 愁は一人、鏡の前で美容師にされるがまま。 
終わったころに迎えに来たタカヤの一言。
 タカヤ:「……似合いすぎる、かっこよすぎて反則だわ…」 そのあとふたりは服を選びに。 タカヤが愁に選んだのは落ち着いたシックなセットアップ タカヤのジャケットとリンクするような色味。
 「これ、悪くないな」
 愁のぼそりとした言葉に、タカヤはまた満足げに笑った。 靴屋では愁が何度も履き替えては歩き、 タカヤが横で腕を組んで見守る。
 「……これがいいな。今夜の主役は愁だから」

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