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8-6
半ば抱きかかえられるような状態でソファへと連れていかれ、そのままゆっくりとソファに押し倒された。
服をまくり上げられ、熱い指が露になった胸の尖りを押し潰し、痛みに震えた瞬間にぬるりとした舌が甘く柔らかな舌で芯を持った突起を転がされる。
「あ……っ、んん……ッ」
こんなの、辞めないといけない。頭ではわかっているのに口をついて出る言葉は鼻から抜けるような甘い吐息だけで。
総一郎の愛撫は巧みで、一二三が感じる場所を探し出すように丁寧に触れてくるものだから、一二三はただ翻弄されるばかりだ。
甘い総一郎の舌は一二三の胸の突起を執拗に舐め上げ、時折強く吸い付かれ、その度にジンジンとした甘い痺れが腰クる。
割られた足の間では、一二三の腰が揺れるのに合わせて、総一郎の膝が竿の根元の柔らかな部分を押し上げるように刺激して来た。
布越しでもわかるくらい、一二三の欲望は形を持ち、硬くなっている。その形をなぞる様に膝で刺激され、先走りが零れる。
「もうヌルヌルですね」
躊躇う事なく総一郎の手が下着の中に潜り込んで来る。腹に付きそうなほど反り返った一二三のそれに総一郎の指が絡んだ。
「あっ、そこ……やぁ……!」
脳裡がスパークするような快感が駆け抜けて、一二三は慌てて首を振るが、総一郎の指は容赦なく先端を捏ね繰り回し、裏筋を撫で上げて来た。
溢れる液を指で掬い上げ、つるりとした亀頭に塗り込まれると腰が跳ねる。
同時に、先ほど指と舌で散々弄られた胸の粒を指で抓まれ、舌と指で弄ばれて敏感になった尖りを同時に弾かれ、一二三は堪らず身を捩った。
「ぁあ!」
「あまり大きな声を出したら、偶然通りかかった誰かに聞かれちゃうかもしれませんよ?」
意地悪な舌が耳に戻って来て、耳たぶを甘く噛んだ。総一郎の囁きに、より一層の羞恥心と背徳感に煽られる。
指はまだ、一二三の性器と胸の尖りを弄り続けている。三点を同時に攻められればひとたまりもない。押し寄せて来る嵐のような快感を逃す術を持たない一二三はあっという間に限界近くまで上りつめてしまう。
「っ、あっ、あ! も……っう、や……っ待てっ、」
首を振ってイヤイヤをしても、総一郎の手は止まるどころか益々激しさを増すばかりで止まる気配は一向にないようで、激しく悶えさせられながらいつしか総一郎のシャツの背を掴んで縋り付いてしまっていた。
「待て、って言う割に離してくれないな」
愉しげな声と共に手の動きが一層激しくなった。裏筋を下から上へとなぞり上げ、敏感な先端を指の腹で強めに撫でまわす。
同時に胸の尖りを抓まれ、耳の中に舌が潜り込んで来る。ちゅくちゅくと濡れた音が頭の中で響き、信じられないくらいの快感が一二三を襲った。
「あ、ぁッ、……ぁあっ!」
瞼の奥でチカチカと火花が散る。どうすることも出来ない急激な射精感に、思わず総一郎のシャツを搔き抱いた。
「あぁっ……やっ、だめッ、――あぁあっ!!」
ドクリ。と、熱い迸りが総一郎の手の中で弾ける。腰を淫らにくねらせて、一二三は背を撓らせた。
くったりと全身の力が抜けて、ソファにぐったりと横たわる。荒い息を繰り返して射精の余韻に浸っていると、総一郎が汗で張り付いた前髪を指で掬いそっと顔を覗き込んで来る。
「気持ち良かったみたいですね」
「……う、五月蠅い……」
カッと頬に朱が走った。照れを隠すようにふいと顔を背けると総一郎が喉を鳴らす音が聞こえた。
「……すみません、怒らないでください。少し休憩したら戻りましょうか。 夜も遅いし、部屋まで送っていきますよ」
先程までのいやらしい雰囲気が嘘だったかのように、いつもの調子に戻った総一郎が一二三の衣服を正していく。
いたわるように頬を撫でられ、一二三は戸惑った。
「……っ、き、きみは……いつもこんな事をしているのか?」
まだ腰に力が入らず、ソファに寝そべったままの状態で一二三は総一郎を睨みつけた。だが、総一郎は肩を竦めるだけで気にした素振りもない。
「まさか。男を相手にしたのは貴方が初めてです。俺はノーマルなので」
「じゃあ、な、なんでっ」
こんな事をしたのか。と聞こうとしたら、総一郎が一二三の唇を指で押さえた。
「さぁ、何故でしょう? 俺にもわかりません。ですが、貴方の恥ずかしがっている顔が見たくてつい、ね」
「な……ッ」
「冗談です。でも、そうですね……。多分、貴方だから、だと思います」
「え?」
聞き返そうとしたら、総一郎はサッと立ち上がり、身支度を整えてしまった。
「ほら、立てますか? そろそろ戻らないと貴方の番犬がまた居なくなったと騒ぎ出すかも」
「お、おい……っ」
結局はぐらかされ、総一郎は一二三の手を引いて部屋のドアを開けた。
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