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第2話
無理もない。第二王子という目上の相手だから仕方なく行っているのだから。恋愛対象でない、ましてや同性に対して行いたくないだろうに、事情を知っている数少ない人物なので相手をさせられている。
ロドルフに申し訳なさが湧き上がってくると、エドワードの頭はすっと落ち着いてきた。この調子で身体も落ち着いてくれればよかったものの、そう簡単に上手くはいかない。
すると、ロドルフと目が合った。何か様子がおかしかったのか、ロドルフの顔が近づいてくる。じっと見つめるわけでもなく、どんどんエドワードと距離を縮めていく。
このままでは触れてしまう。エドワードはぎゅっと目を閉じた。
「大丈夫ですよ」
ロドルフの優しい声がしたかと思えば、唇を柔らかい感触が包んだ。
キス、された。
嫌そうな顔をしていたのに、どうしてこんなことをしてくれるのだろう。
疑問を抱きつつも、エドワードはいくらか身体が落ち着いてきた。
頭の中が雲が晴れたように冴え渡り、身体が勝手に悶えるようになってしまった己の弱さに改めて悔しさが込み上げた。
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