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第3話
鍛錬場は過酷な環境を想定して、屋根が半分ほどしかない設計となっている。隙間からまばゆい日差しが照りつける中、鎧を纏った騎士団員はくたびれた様子を見せることなく木製の剣を手にしている。訓練相手に向けて実戦さながらの動きを見せているため、カツッ、とぶつかる音が響き渡る。
「てあっ! はぁっ!」
人より痩身のエドワードはかけ声を出しながら、引けを取ることなく相手の団員と接戦を繰り広げる。エドワードが攻撃を受け止められる自信はない。なので、先手必勝で相手に隙を見せないようにしている。
それでもエドワードが常に動き回っていられるわけではないので、相手からの攻撃も出されてしまう。そのときは全力で相手をかわす。ここ最近身につけてきた、スピードを重視したエドワードの戦略だ。
再びエドワードが攻めていくと、相手に疲れが見えてきた。
ここが絶好のチャンスだ。
エドワードはいったん距離を置いてから全速力で相手に向かっていった。
「はあぁぁ!」
相手の足が構える姿勢を見せる。そしてエドワードに向かっていきながら力を込めた一撃を振りかざそうとしている。
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