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第7話

 最近はロドルフの笑顔を見ているとよくこうなってしまう。原因がさっぱり分からないので不思議でしょうがないが、嫌な気分にはならない。むしろ、もっとロドルフの笑顔を見ていたいとさえ思っていた。  ロドルフの短い銀髪がさっと揺れたかと思うと、エドワードから向きを変えてしまった。  残念だと思ったところで、団員たちが整列する姿が見えた。そういえばまだ鍛錬時間ということになっている。  エドワードもそそくさと移動して団員に混じって並んだ。 「今日の全体鍛錬はこれまで。各自休息を取るように。見回りの者は引き続き頼んだぞ」  ロドルフは全体に終わりを告げた。エドワードも揃って一礼をした。  緊張感の抜けた鍛錬場は、団員たちがまばらに散っていく。すぐにシャワールームに向かう者や、引き続き見回りを行う者。兜を外したエドワードはそんな姿を見ながら去っていこうとした。 「殿下、少しお時間よろしいでしょうか? お話ししたいことがあります」  ロドルフがエドワードに近づいてきて、再び話しかけてきた。改まったことだろうか、表情も少し固い気がする。 「大丈夫だよ。どうしたの?」 「これまで殿下には、騎士団員として王都の見回りを行っていただきました。そろそろ実戦として、王都周辺の魔物討伐にご参加いただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか?」

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