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第8話

「ほんと!? もちろん行くよ! あっ、僕からも父上に伝えておくね」 「承知いたしました。それでは、正式な計画書は明日陛下にお伝えさせていただきます」 「分かった。それも伝えておくよ」  エドワードは踊り出しそうになるのを必死にこらえながら、鍛錬場から去っていった。  人気がなくなったところで、エドワードは急に立ち止まって一人で笑った。  成人前から願っていた魔物討伐の実戦に、ようやく参加できる。  まだまだ強くないので王都の見回りしか騎士団としての行動をしていない。民と触れ合える大事な時間であると分かってはいるものの、実戦で手応えを得たいという欲は残っていた。  ロドルフの隣で剣を振るって魔物を討伐したい。ふとエドワードの頭の中によぎった。 「……だめだめ。浮かれることじゃない」  実戦ということは、相手は命を奪う存在である可能性が高い。油断から最悪命を落とす危険にも繋がるということだ。自ら志願して騎士団とともに行動している身としては、あってはならない。  エドワードは自らの頬を叩いて邪念を振り払った。 「僕は次の王になるんだから。強い王になるために騎士団で鍛錬を積んでいるんだ」  一人声に出して言い聞かせる。エドワードが油断して何かあったら、ロドルフにも迷惑がかかってしまう。そんなことは絶対にしたくない。

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