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第11話
「早く義姉上とお呼びしたいものです」
「からかうのはよしてください……」
照れてはいるものの、レオナルドはとても嬉しそうだった。
人を愛するということは尊い、と、レオナルドを見ているといつも思う。リザベルと出会ってからのレオナルドは、とても生き生きとしていた。
レオナルドもリザベルもとっくに成人して結婚に適した年齢のため、いつ婚約を発表するかエドワードは楽しみで仕方なかった。
エドワード自身もいつかは誰かと結ばれて、未来のために子を成していく。そう考えるけれども、騎士団で鍛錬を積むことに精一杯の今は、誰かと愛を育むことに意識が向かなかった。
いずれ強くなってから、エドワードはそう言ってはぐらかしていた。
「あっ、女性を待たせるのはよくないと思いますよ」
「そうですね。では、私はこれで」
「はい。兄上のお話、楽しみにしてます!」
もう、と照れながら去っていくレオナルドを、エドワードは笑いながら見送った。
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