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第12話

 エドワードとロドルフを含めた討伐部隊は、八人編成となった。今回はエドワードが実戦に慣れるのが目的のため、王都近くの森でゴブリンといったような小物を少数で討伐する。  エドワードは各地に訪問するために王都の外に出たことはあるが、街から街に移動するための危険の少ない道を、王都の近くまで護衛してもらって移動したことしかない。今日は魔物に出会ったら自らの力で戦わなければならない。  ロドルフに魔物討伐を誘われたときは喜びが強かったけれど、今のエドワードは緊張感の方が強い。足を引っ張らないようにしなければ、エドワードは心の中で何度も言い聞かせていた。  しばらく歩き続けていくと、少し光が差し込むひらけた場所で先頭のロドルフは足を止めた。そして皆の方へ振り返った。 「ここを拠点とする。万が一何かあった場合、すぐここに戻るように。また、信号弾も忘れないように」  ロドルフは筒状のものを皆の前に出した。団員たちも同じものを取り出して目の前に広げた。  主に救難信号を出すのための信号弾は、討伐に出るときには必ず携帯する。助けを呼んで全員で帰還するための命綱だ。王都周辺は小物の魔物ばかり生息しているが、油断は禁物だ。

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