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第13話

「よし、大丈夫だな。では各自、何事もないように討伐をしていくように」 『はっ!』  ロドルフの声を合図に、六人の騎士団員は二人一組になってそれぞれ森を進んでいった。  二人きりになって、ロドルフはエドワードに近づいてきた。 「では、我々も行きましょう。油断は命の危険がありますが、あまりに緊張しているのも危険ですよ」 「うん……。ロドルフのことは信じてる……」 「私がいるので大丈夫です」  ロドルフはエドワードの肩にそっと手を置いてきた。  鎧で覆われているにもかかわらず、なぜか触れられている部分が温かくなった気がした。  ロドルフの強さは模擬戦で何度か見てきた。訓練ではあったものの、実戦から積んできた圧倒的な強さがある。そうやすやすとロドルフが負けるわけない。 「うん、僕も頑張るよ!」  エドワードは笑顔を見せて頷いた。  ロドルフも安心したようで、笑みを浮かべながら「行きましょう」と改めて口にしてからエドワードに背を向けた。そしてロドルフを前に茂みの奥へと進んでいく。  鬱蒼とした森は薄暗く、魔物が身を潜めるにはうってつけの場所だ。その上魔物の棲み処となっているため、進む道は歩きやすいように整備されていない。エドワードは草木に足をとられていた。

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