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第16話
木々が折り重なるように茂り、差し込む光がどんどん少なくなってきた。目に頼るのではなく、耳を研ぎ澄ませる必要がある。
エドワードは音を立てないようにロドルフに続いて歩いていく。
カサ、カサ──
少し離れたところから草の揺れる音が四方からした。乱れた音で、複数いるような気配だ。エドワードは、いつでも攻撃できる体勢になるためにそっと剣を抜いた。そしてロドルフと背を合わせる形で構える。
「キーッ!」
ゴブリンの群れが二人の前に現れた。恐らく先ほどのゴブリンは、偵察で先にやって来たのだろう。単独では太刀打ちできない、戻ってこないからそう判断したようだ。
エドワードに向かって二匹のゴブリンが向かってきた。だが、小柄なわりに動きは遅く、エドワードは動かずにゴブリンが近づいてくるのを待っていた。
奇声を上げながら両手を上げるゴブリンたちに向かって、エドワードは剣で勢いよく斬りつける。
「はぁっ!」
見事に斬りつけたものの、力が足りなかったのか紫色の血を流す程度の傷を与えるだけだった。
「キィーーーーー!!」
痛みでもがく一匹のゴブリンは、怒りに満ちているのか再びエドワードに向かってきた。
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