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第17話
もう一度、今度は深く斬り裂かなければ。エドワードはぎゅっと剣を握ってゴブリンに向かっていった。
先ほどよりもゴブリンとの距離が縮まったところで、再び斬りつける。
今度はしっかりと刃が入り込んだようで、一気に両断されたゴブリンたちは黒い煙に包まれていく。耳がおかしくなりそうなほど間近で声が響く。歯を食いしばりながら必死でこらえているうちに、ゴブリンは完全に消えた。
「やった……僕も倒せた……」
人間相手とは異なる、肉の感触が剣から伝わってきた。本気でかからなければ魔物を倒すことができない、改めて違いを実感した。
エドワードは剣を握り直し、もう一匹のゴブリンに向かって剣を振るった。動きが鈍ったゴブリンはあっけなく両断され、同じように消えていった。断末魔はいつになっても慣れそうにない気がする。
「ふぅ……」
「殿下、おめでとうございます」
「ロドルフ……ありがとう」
二匹で苦労していたエドワードに対して、ロドルフはもっと多くのゴブリンを倒していた。おまけに、息が全く上がっていない。
数多く実戦を経験してきたことを、改めて感じさせられた。
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