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第20話
どういうことかと戸惑いながらなんとか目を開ける。まだ少しチカチカとするけれど、ぼやけずに見えていた。
「あれっ、いない……? あっちにいたんだけど……」
目の前にいたはずの魔物の姿はなく、指さす方には木があるだけだった。魔物が擬態している様子もない。
「すぐに逃げたのでしょうか……。このあたりはゴブリン以外の魔物はほとんど見ないのですが、気になりますね」
「うーん……。目が光っててまぶしかったから最後まで見てないんだよね」
「お怪我はありませんか?」
「うん、大じょ……」
エドワードが言いかけてていると、突然全身の力が抜けてしまってその場に崩れ落ちてしまった。
「殿下!?」
「なっ、なに、これ……ああぁぁ!!」
下半身を中心として痺れるような感覚が全身を駆け巡った。身体が勝手にガクガクと震えてしまう。一体何が起こっているのか、エドワード自身にも全く理解できなかった。
そしてエドワードは上体を起こすこともできず、地面に倒れ込んでしまった。それでもなお、激しい感覚は治まる気配を見せない。
「た、助けて、ロドルフ……」
なんとか力を入れて右手をロドルフの方へ伸ばしていくが、視界がにじんできてよく見えない。
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