22 / 171

第22話

 エドワードが目を開けると、見慣れた天井が視界に入ってきた。エドワードを包み込む柔らかい感触はベッドだ。 「あれ……僕の部屋……」  気を失っている間に城の自室に戻ってきたようだ。ロドルフが連れてきてくれたのだろうか。 「殿下、気づかれましたか!」  ベッドのそばからロドルフの声が聞こえてきた。エドワードが目を覚まして安堵している表情が見える。  起き上がろうと身体に力を入れてみるが、全身が気だるくて起き上がれなかった。  あのとき、エドワードの身体は異常な感覚だった。意思に反して身体だけが激しく反応していた。まるで、興奮しているような状態だった。  エドワードの身体に一体何が起こったのだろうか。 「無理して起き上がらないで大丈夫ですよ、エドワード殿下」  ロドルフとは別の、男の声が聞こえた。ロドルフ以外にも誰かいたことに気づかなかった。  声の主らしき白衣の青年がロドルフの後ろからエドワードに近づいてきた。物腰柔らかそうな彼は、時折城内で見かけたことがある。 「えっと、医者の……」 「ハーリー・ラードルフです。城内で働く者と騎士団の医師をやっております」 「そうなんだ……。でも、どうしてここに?」

ともだちにシェアしよう!