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第29話

「っ……」 「嫌でしたらすぐにおっしゃってください……」  ロドルフの両手がエドワードの昂りを包み込む。そしてゆっくりと上下に動かされていく。ゴツゴツとした手は、大した力を入れなくてもやけに刺激を感じる。 「ひあぁっ!」  激しい痺れが局所的に現れた。そこからゾクゾクとした感覚が全身に広がっていく。けれども、ロドルフからの刺激は止まることがないため、徐々に激しさを増しながら続いていく。 「はあぁぁ……だ、だめぇっ!」 「殿下、暴れないでください……」  一瞬離れたロドルフはすぐにエドワードの背中に腕を回してをぐっと抱き寄せ、そのまま両腕でがっしりとエドワードの身体を包み込んだ。本気で動いているのか、全く身動きが取れない。  だが、不思議と身体は落ち着いた。相変わらず痺れるような感覚は止まらないけれど、それがとても心地よく感じてきた。 「ん……ん、あっ……」 「大丈夫です、私に任せてください」  耳元で響く低い声に、背中がゾクリとした。聞き慣れている声なのに、呼吸がはっきりと伝わるほどの距離のせいなのか。  だんだんと身体の力が抜けていき、エドワードはロドルフにもたれかかった。ロドルフの手の動きも、上半身を包み込むような温もりも、エドワードには気持ちよくてしょうがなかった。

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