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第33話
コンコンッ──
もう寝るだけになって一人寛いでいたエドワードの部屋に誰かが来たようだ。エドワードはドアをそっと開けてその姿を確認する。
「ロドルフ……」
「殿下、夜分に失礼いたします。お身体はいかがでしょうか?」
ロドルフはいつもの笑顔でそう問いかけてきた。さり気ないロドルフの気遣いがとても嬉しい。
「うん、大丈夫だよ。あっ、せっかくだから部屋の中でゆっくり話そう」
「では、お言葉に甘えて」
ロドルフは頭を下げてから部屋の中に入ってきた。昼間と変わらず騎士服をまとっており、この時間までいろいろやっていたのだろうか。
エドワードはロドルフと向き合う形でソファに腰かけた。
「座って」
「失礼いたします」
「ロドルフは、こんな時間にどうしたの?」
「陛下へのご報告や騎士団について、殿下にお伝えしようと伺いました」
「ありがと……。父上は何とおっしゃてた?」
「落ち着いてから殿下が直接お伝えするようおっしゃってました。今は、身体を休めることが最優先だとも」
「そっか……そうだよね」
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