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第35話
「……殿下?」
「んっ、な、なんでもないよ」
「私の責任ですので、ご遠慮なくなんでもおっしゃってください」
「う、うん……」
そうは言われても、さすがにまた手伝ってもらうのは申し訳なさすぎる。
「それより、ロドルフが僕につきっきりになっちゃったら、騎士団の方は大丈夫かな」
エドワードはこれ以上同じことを話したくないので、話題を変えた。
事実、遠征から帰ってきた後からロドルフはずっとエドワードのこと以外何もしていないようだ。
「それでしたら、副団長のオリヴェルに任せているのでご安心ください」
「そっか。よかった」
副団長のオリヴェルも、ロドルフのように仕切るのが上手い。特に新人団員の教育に関しては、ロドルフよりも秀でているかもしれない。オリヴェルはロドルフと同じくらい団員から信頼されており、ロドルフもオリヴェルに安心して任せられている。
「でも、ロドルフをずっと独占してるのはさすがに申し訳ないかな」
「ははっ。他の団員はそんなこと気にしませんよ」
「分かんないよ? ロドルフは優しいからみんな信頼してるし」
「ありがとうございます」
このままずっと、ロドルフと普通に会話していたい。
エドワードはそう思いながら話を続けていたのだった。
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