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第37話
「はい。一晩でだいぶ回復いたしました」
「そうか、安心したぞ。ロドルフよ、朝食後に詳しい話を聞かせてもらえるのか?」
「はい。そのことをお伝えしたくエドワード殿下にご同行いたしました」
「ふむ。では、後ほど頼んだぞ」
それだけ言って、フィリップは先に入っていった。続いてレオナルド、最後にエドワードが入っていく。
エドワードは、じゃあね、と小さくロドルフに向けて囁いた。
テーブルには三人分の食事が並べられており、焼きたてのパンやサラダ、焼いた肉や果物があった。
フィリップは、どんなに忙しくても朝は必ず全員揃って食べることを最優先としている。幼い頃に妻──エドワードとレオナルドの母を亡くしてから、二人と接する時間を少しでも多くするためにしていたことであった。エドワードが成人した今でも、大切な時間として続けられている。
「ではいただこう」
フィリップの声とともに、それぞれ食べ始めた。
昨日は水を飲む以外何も口にしていなかったので、エドワードのお腹は早く食べ物を欲していた。パンをちぎって口にすると、いつもよりとても美味しく感じた。
「元気そうで安心しました」
レオナルドは微笑みながらエドワードを見ていた。
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