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第41話

「では、エドワードは本調子になるまで鍛錬は中止だ」 「そ、そんなぁ……」  早く力をつけていきたいのに、それすらもできないのか。  だが、フィリップの表情は険しいままだった。 「他の団員に迷惑をかけてどうする。彼らも真剣にやっておる」 「ですが、ロドルフが不在になってしまいます」 「そこは問題ありません。昨日もオリヴェルに代わりに動いてもらいましたので、引き続き彼にお願いします」 「分かった……」  ロドルフに言われてしまっては、エドワードはもう諦めるしかなかった。 「本調子に戻れば好きなだけやっていい。わしもエドワードの呪いが解けてほしいのは変わりないからな」 「元気なエドワードが一番です」 「父上、兄上……。はい、まずは早く鍛錬できるようにしっかり休みます」  優しい父と兄の姿に、エドワードは嬉しくなった。  二人は笑顔のまま立ち上がると、先に部屋から出ていった。  ロドルフと二人きりになったエドワードは、彼の方に向いた。 「しばらくの間専属騎士としてよろしくね、ロドルフ」 「はい。何かありましたらすぐにおっしゃってください」 「まあ、ほどほどに」 「遠慮も無理もなさらずに」  前から知っている存在ではあるけれど、いざ関係が少し変わっただけで不思議な気分だ。

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