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第42話

 それでも、エドワードの中の罪悪感はまだ残っている。  ロドルフが片付け終えてから、二人で部屋を出ていった。 「ねえ、少しだけ鍛錬場覗いてもいい? みんなが頑張ってるところを見るだけ!」 「見るだけですよ」  鍛錬場に向かって歩き出した。この部屋からは離れたところに位置しているため、エドワードの自室から向かうよりも距離がある。 「……ごめんね、ロドルフ」  エドワードはどうしてもロドルフに謝りたかった。自己満足かもしれないけれど、エドワードのせいで本来やるべきことから離れてしまっていて、迷惑をかけているから。 「殿下、何も謝ることはありません。それに、殿下がお辛い状況ではありますが殿下の専属騎士になれたことを誇りに思います」 「そうなの……? 迷惑じゃない……?」 「王族の専属騎士になるのは、騎士団で何かしらの役職に就くよりも難しいことです。迷惑なんてとんでもないです」 「そうなんだ」 「殿下が成人した頃から、陛下は殿下の専属騎士を誰かしら任命するべきだとおっしゃっていましたが。殿下はその気がないようでしたが」 「うっ……。自分で戦えないとだめだって思ってたから……」  フィリップにもレオナルドにも専属騎士はいる。けれども、彼らは少し離れたところから見守ることが多いためエドワードはあまり話すことがない。それに、エドワードには騎士団の皆がいると思っているので特別欲しいとも思っていなかった。

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