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第43話

「では、今は専属騎士がいる状態に慣れる時間にもしましょう。次期国王として、大事なことです」 「うん、頑張る……」  いつもいるロドルフだから、ずっとそばにいることが不思議でしょうがない。エドワードは緊張のせいか、少しドキドキしているような気がした。  話しているうちに、鍛錬場の近くまで来ていた。団員たちの声や木剣がぶつかる音が聞こえてくる。  一日だけ全く武器に一切触れなかっただけなのに、もう何日も触れてないような気分になる。  ようやく鍛錬場の中が見える場所まで来ると、どうやら模擬戦を終えたところだった。戦っていた団員たちが礼をしていた。 「みんな、お疲れさま!」  エドワードは近づいて声をかけた。  それに気づいた団員たちはすぐにエドワードの方を向き頭を下げていた。 「殿下、ご無事な様子で安心いたしました」  団員の後ろから、肩ほどまで伸びた金髪のオリヴェルがエドワードに近づいてきた。 「まだ完全には調子が戻ってないけどね。みんなが頑張ってる姿が見たくて来ちゃった」 「嬉しいお言葉、ありがとうございます」

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