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第49話

 ロドルフに喜ばれていることが純粋に嬉しかった。理由なんてどうでもいい、もっと騎士団とともに民を守れるようになりたい。  そのためにも、早く元の状態に戻らなければ。 「早く、呪いを解かないと」 「またいつ発情が起こるか分かりません。様子を見てから鍛錬を再開しましょう」 「うん……」  それまでに、発情した際に一人で対処できるようにしなければ。経験が全くないわけではないけれど、正直なところ慣れてないせいで不安であった。  ロドルフは、そういった気分になることがあるのだろうか。一瞬考えたが、そんなことは聞くことではないと頭の中でかき消した。  すると、鼓動がやけに速くなっていることに気づいた。次第に下肢がゾワゾワとしてきて、手に力を入れていないと座っているのすら辛い。 「殿下……?」 「だ、大丈夫、だよ……」 「お身体が震えております。それに、呼吸も乱れて……」  ロドルフはさっと寄ってきて、エドワードの肩に触れた。 「ひっ!!」  ほんの少し触られただけにもかかわらず、痺れるような感覚が全身に広がっていった。  発情していることを完全に知られてしまった。

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