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第50話

「殿下、今すぐに……」 「ロドルフ……ごめん、外にいて……」  乱れた呼吸でエドワードは、なんとかロドルフにそう伝える。自分でどうにかするためにも、ロドルフに近くにいられては頼ってしまうかもしれない。 「承知いたしました。何かありましたら、すぐにおっしゃってください」  ロドルフは静かに部屋の外へ出ていった。  部屋の中にはエドワードの粗い息遣いだけが聞こえる。一人きりだと自覚したところで、上体をなんとか起こしてズボンの前に手をかける。 「んっ……」  ほんの少し触れただけでも、身体は小さく震えた。すっかり硬くなったエドワードのペニスは、反り上がっていた。  すぐに発散できるだろうと、そのままゆっくりと両手を添わせて上下に移動していく。  発情とは言っていたものの、精神に反する反応なせいか苦しくてしょうがない。 「んぅっ、ふっ……」  ロドルフがしてくれたような動きをしているのに、心地いいと感じられない。身体は反応しているものの、ただ刺激を受けている結果のようだ。 「どうして……?」  エドワードは不快感しかなかった。理由が分からないまま、早く終えるために震える手でひたすら続けていく。

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