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第53話
「はぁ……」
エドワードは一人テラスに出て、王都を眺めていた。明かりはほとんどないけれど、ところどころで灯っているところがある。夜になると繁盛する店があると聞いたことがあるので、きっとそれだろう。
自室の入り口にはロドルフがいるのでいつでも呼べるが、昼間のことを考えてしまうと顔を合わせる気分になれなかった。
「こんな調子で慣れるのかな……」
解呪ができて勝手に発情することがなくなったとしても、生理的現象で発生する可能性も十分あり得る。だが、他人の気持ちいい感触を知ってしまったせいで、エドワードは自信が持てない。
エドワードは何度目かのため息をついていた。
「どうしましたか、エドワード?」
ふと声のする方に視線を向けると、寝間着姿のレオナルドが立っていた。部屋は離れているが、テラスは繋がっているため行き来することができる。
「兄上……。いえ、大丈夫です……」
「そんな風には見えませんよ。私にも話せませんか?」
「っ……その、一時的な発散について……。僕、一人でやっていけるか不安で仕方がないです……」
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