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第56話
「まるで恋してるようですね」
鍛錬が楽しいからに違いない、エドワードはそう反論できなかった。
最近、ロドルフの笑顔を見ていると胸がドキリとする。ロドルフをもっと見ていたいと感じる。これらのことがやけに引っかかった。
もしかして、本当にロドルフに恋しているのだろうか。エドワードには分からないけれど、レオナルドに話していいものだろうか。
「今は、魔物を討伐するために鍛錬するしかありません……」
「まずは日常生活から慣れることです」
「はい……」
「私も早く解呪できるよう協力しますので、頑張りましょう」
「兄上……ありがとうございます!」
冗談を混じえてからかってくることもあるけれど、レオナルドはとても優しい兄だ。
エドワードは話しているうちに気分が落ち着いてきて、さり気なくやって来たレオナルドに嬉しさが湧き上がった。
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