56 / 171

第56話

「まるで恋してるようですね」  鍛錬が楽しいからに違いない、エドワードはそう反論できなかった。  最近、ロドルフの笑顔を見ていると胸がドキリとする。ロドルフをもっと見ていたいと感じる。これらのことがやけに引っかかった。  もしかして、本当にロドルフに恋しているのだろうか。エドワードには分からないけれど、レオナルドに話していいものだろうか。 「今は、魔物を討伐するために鍛錬するしかありません……」 「まずは日常生活から慣れることです」 「はい……」 「私も早く解呪できるよう協力しますので、頑張りましょう」 「兄上……ありがとうございます!」  冗談を混じえてからかってくることもあるけれど、レオナルドはとても優しい兄だ。  エドワードは話しているうちに気分が落ち着いてきて、さり気なくやって来たレオナルドに嬉しさが湧き上がった。

ともだちにシェアしよう!