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第58話
「……よし!」
装備を整えたエドワードは、鍛錬場へと出ていった。
「エドワード殿下、おかえりなさい!」
「待ってました!」
団員たちはエドワードが戻ってきたことを心から喜んでくれていた。
「ありがとう……! 心配をかけて申し訳ない」
笑顔で返事をしつつ、自らを鼓舞した。
整列すると、ロドルフとオリヴェルが並んで立っていた。
「エドワード殿下が今日から鍛錬に復帰されることになりました。なので、鍛錬の間は俺ではなくてロドルフ団長が指揮します」
「ずいぶんと不服そうな言い方だな?」
「そんなことありませんよ? 俺、ロドルフ団長がいなくて寂しかったですよ」
ロドルフとオリヴェルの冗談を混じえた会話に、団員は皆大きく笑っていた。エドワードも同じように笑っていた。
ふと、ロドルフの表情がくだけたような雰囲気に見えた。いつもエドワードに見せてくれる優しい笑顔も好きだけれど、緊張感を一切感じられない今のロドルフもいいと思う。立場的にエドワードに見せては不敬に値するだろうが、正直オリヴェルとの仲のよさが羨ましく思えた。
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