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第65話
「ところで何か用か、オリヴェル?」
「おっと、そうだった……。殿下、今日はシャワールームを使う者があまりいなかったので、もうそろそろ空く頃かと思います。よろしければお使いになられますか?」
「いいの? じゃあ、お言葉に甘えて使わせてもらうね」
騎士団用の共用シャワールームが鍛錬場の横に併設されている。エドワードは何度か利用したことがあったが、王族と一緒に使うのは畏れ多いという雰囲気を感じた。そのため、団員たちにのびのびと使用してもらうのを優先させるため、よっぽど急いでいるとき以外は使わないことにした。
「では、お気をつけて」
オリヴェルに見送られながら、エドワードはロドルフとともにシャワールームへと向かっていった。
「ねえ、さっき動いてたから汗かいてるよね? ロドルフも入る?」
「よろしいですか? 私もご一緒いたします」
なんとなく口にして、エドワードはふと気づいた。
シャワーを浴びるということは、肌を見せなければならない。当たり前のことではあるが、先日あられもない姿を見せてしまい、恥ずかしさが湧き上がってきた。
やっぱりやめるとは言えないし、どうしたものかと考える。
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