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第66話
しかし、考えは全く浮かばずにシャワールームに到着してしまった。
「お疲れさまで……!!」
シャワールームから出ていこうとした団員は、エドワードの姿を見てすっと姿勢を正した。エドワードが来るなんて予想していなかったのだろう。
エドワードはお疲れさま、と声をかけながら入っていった。
「びっくりさせちゃった……」
「殿下がこちらへいらっしゃることはほとんどありませんからね」
脱衣所には私物と思われるものは何もなく、どうやら先ほどの団員が最後だったようだ。
エドワードはロドルフと少し離れて衣服を脱いでいく。せめてあまり見られないように、とほんの少しの抵抗をしてみた。それでも結局は晒すことに変わりはない。
「行きましょう」
ロドルフの背中を見ながら、エドワードはシャワールームへと向かう。服を着ていると分からないが、ロドルフは背中まで筋肉で引き締まっている。ところどころに古傷もあり、多くの鍛錬を積んできた証がそこにある。そして下に目を向けて、臀部、太もも、ふくらはぎ、足先。どこを見ても程よく筋肉で引き締まっている。
ドキリ。ロドルフの身体を目にしていたら、胸の鼓動が高鳴っていた。たまたま目に入っただけ。エドワードは必死にそう言い聞かせる。
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