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第70話

 エドワードは呼吸が苦しくなってきて、思わず口を開いてしまった。再び閉じようとしたところで、ロドルフの上唇を軽く食む形になった。  一瞬ビクリとロドルフが揺れたかと思えば、ぬるりと熱いものがエドワードの下唇に触れてきた。それに触れられた途端、今度はエドワードがビクリと揺れてしまった。  驚いてしまったものの、唇以上に気持ちよかった。もっと、欲しい。  エドワードの意思に反して、ロドルフはそっと離れてしまった。 「っぁ……あっ」 「も、申し訳ございません。これ以上は……」 「……あっ、そ、そうだよね。ごめん、ロドルフ……」  不敬なんて全く思っていないけれど、ロドルフはそうではないかもしれない。  エドワードは自力で立つと、ふと身体の変化を感じた。  ロドルフにキスされる前は立っているのすら辛いくらい身体が火照ってゾワゾワしていたのに、今は一切ない。まだドキドキとした感覚は残っているけれど、この程度なら激しく動いた後でもなることがある。 「ねえ、ロドルフ……。なんだか身体が楽になった」 「まさか、効果があったのでしょうか……?」 「分かんない。明日、確かハーリーの診察だったから聞いてみようかな……」

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