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第73話

「陛下、レオナルド殿下、お時間いただきありがとうございます」 「うむ。今日の報告を頼む」 「本日、エドワード殿下には鍛錬に復帰いただきました。数日続けていれば、以前のように動けるかと思います」 「なるほどのう。だからエドワードは疲れてるのか」  フィリップには見ただけで見抜かれていた。鍛錬の疲れも出てきてはいるものの、実際のところはロドルフを見ても何事もないように取り繕うのに必死である。  だが、それを言ったところでフィリップに理解してもらうどころか、ロドルフを困らせてしまう。エドワードは心に秘めていた。 「レオナルドの方はどうだ?」 「先ほど時間がありましたので、図書館の蔵書を調べていました。持ち出し許可を得ていたので遅くなりましたが、エドワードが言っていた特徴によく似た資料を見つけました」  そう言いながらレオナルドは、机に置いた本を広げた。文字ばかりで絵は小さいけれど、蔦が絡まって丸くなった中心には人間のような顔が描かれていた。 「この魔物です!」 「突発的に性的衝動が抑えられなくなり、解呪には魔物を倒すしかない──ざっと目を通した限り、このような記載がありました」 「他にもまだ記載はありましたか?」 「はい。まだ詳しくは読み進めておりませんが、この後ハーリーにも共有したいと思います」

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