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第74話
「お願いいたします、レオナルド殿下」
呪いのせいで死ぬことはなさそうだけれど、突然発情してしまう状態はよくない。今エドワードにできることは鍛錬を積んで、すぐに魔物を討伐できるまでに体力を戻すことだ。
「あの、父上、ロドルフ」
「どうした?」
「僕の体力が戻ったら、すぐに魔物の討伐に行かせてくだい」
「駄目だ」
フィリップは即答だった。エドワードは否定しか考えていない様子に、苛立ちを覚えた。
「どうしてですか? 魔物を倒す以外に解呪する方法がないならばすぐに討伐するべきです」
「殿下……討伐したいお気持ちは分かりますが、今はまだ討伐へ行くべきではありません」
「ロドルフも、どうして!?」
「エドワード殿下以外に魔物の姿を見た者はおりません。このまま作戦も立てずに向かえば、被害が拡大するおそれがあります」
ロドルフもフィリップと同じ意見だった。ロドルフにもこれ以上負担になるようなことをさせたくないのに、どうして理解してくれないのだろう。
「でも……僕が見てるから、僕も行けばすぐに分かるよ」
「もう一度言う、今のエドワードでは駄目だ」
フィリップはエドワードを遮るようにゆっくりと低い声で言った。
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