78 / 171
第78話
エドワードが目を開けると、心がこのままずっと寝ていたいと訴えている。
昨夜はベッドに入ってからもずっと、ロドルフに対する自らの気持ちを考えていた。だが、結論が出ることなくずっと問答を繰り返していて、いつの間にか眠りについていた。
身体の疲れがまだ残っているような気がした。けれども、今日はハーリーの診察もあるので起きなければならない。
「はぁ……」
身体に力を入れようとしたところで、エドワードの身体がゾワゾワとしてきた。
朝起きぬけで発情してしまった。エドワードはため息をつきながら下肢に手を伸ばした。
コンコンッ──
「殿下、そろそろ起床のお時間です」
こんなときにロドルフがやって来るなんて。だが、返事をしなければ心配されて入ってくるだろう。
「あっ、ちょっと待っ……」
エドワードは声が震えてしまった。平静を装って自分で対処するつもりだったのに、ロドルフに気づかれてしまっただろう。
「殿下、その声……失礼します!」
ガチャ、と、ロドルフはドアを開けて入ってきた。すぐにロドルフと目が合って、顔に熱が集まってきた気がする。
「そ、その、えっと……」
「大丈夫ですか、殿下……?」
エドワードは首を横に振っていた。自分でどうにかしたいはずなのに、身体はロドルフに触れられたいと勝手に動いていた。
ともだちにシェアしよう!

