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第80話

 それから、唇に柔らかいものが触れてきた。  敏感な場所に与えられる温もりがあまりにも心地いい。ロドルフには申し訳ないけれど、エドワードは心の底から嬉しいと思っていた。  悶える身体はロドルフからの刺激をどこまでも求めて、彼の方へと寄っていく。  一瞬動きが止まったかと思えば、手の動きが激しくなった。 「んっ! うぅぅ……っん……」  唇の触れる角度が変わると同時に、ねっとりとしたものがエドワードの唇をなぞる。それはそのまま割り開いてエドワードの舌先に触れてきた。  ドキリと激しく鼓動してから、痺れるような感覚が広がっていった。ロドルフがしてくれるから感じられる、気持ちいいものだとエドワードは思った。  ごめんね、と心の中で何度も呟きながら、エドワードはシーツを握りしめていた両手をロドルフの背中に回す。  ロドルフがビクリと大きく震えて動きを止めてしまった。  驚かせてしまったのかとエドワードは慌てて両手を離すと、ロドルフは顔を離していった。 「……何か不快な部分でもありましたか?」

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