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第83話
はぁ、と、ため息をつきながらエドワードはようやく立ち上がる。そして憂鬱な気持ちで着替えを終え、いつもよりやけに早いなと思った。
部屋の外へ出ると、ロドルフが何事もなかったかのように待っていた。
「おまたせ」
「では行きましょう」
苦しそうな表情をしていたとは微塵も感じられないほど、ロドルフはさわやかな笑みを浮かべていた。
忘れたいほど嫌だったのかとエドワードは思わされた。顔を見るのが申し訳なくて、ロドルフの前に出てダイニングへと向かう。
到着するとすでにフィリップとレオナルドもいた。
「父上、兄上、おはようございます……」
「おはよう、エドワード」
フィリップの声はいつもより鋭かった。やはり、まだ怒っているようだ。
フィリップとレオナルドが入っていってからエドワードも入っていく。テーブルにはいつも通りの朝食が並べられているが、重苦しい雰囲気が漂っていた。
エドワードはため息が出そうになるのを必死でこらえながら、パンを手にとってちぎる。サラダを食べても、スープを飲んでも、なんだか味気ないように感じた。
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