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第84話

 全く会話のない朝食は今まであっただろうか。  結局エドワードはきり出すことができずに食べ終えてしまい、皆で飲み物を手にしていた。今日は心が晴れないで一日が始まるのか、と、気が緩んでしまいため息をついてしまった。 「エドワード」  フィリップがようやく口を開いた。エドワードは彼の方へ視線を向ける。 「あまりロドルフに苦労をかけないように」 「っ……」  ロドルフの手を煩わせたくないとは思っている。実行できてないだけに口にすることはできなかった。  エドワードは飲みかけのカップを置いてゆっくりと口を開く。 「……早く、討伐に向かえるように鍛錬します」 「鍛錬も大事だが、身体を休めることも大事だ。無理はしないように」 「で、ですが、ロドルフに苦労をかけないためにも魔物を倒せるくらいにならなければ……」  フィリップはエドワードをギロリと睨んだ。これ以上反論は許さない、視線がそう語りかけていた。  エドワードが黙ってからしばらくすると、食事を終えたフィリップは去っていった。  完全に気配がなくなったところで、レオナルドがエドワードの方に近寄ってきた。

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