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第85話

「エドワード、今日は診察でしたよね?」 「……はい」 「昨夜ハーリーに私が調べられたことを報告しました。エドワードの体調も報告してくださいね」 「ありがとうございます、兄上」  すると、レオナルドはエドワードに微笑みかけてきた。 「父上も、あなたのことをとても心配しているのです。だから、無茶なことはしてほしくないと思います」 「兄上……。申し訳ございません……」 「私もエドワードが元気でいてくれた方が嬉しいです」  それだけ言ってレオナルドも去っていった。  優しい言葉に胸がじんわりと温かくなった。レオナルドにも頼ってばかりで、早く安心させたいと改めて決意した。  残っていた紅茶を口にすると、先ほどよりも深みのある味わいがした。いつも通り美味しい朝食をようやく堪能できた気がした。  ようやく全てを食べ終えたエドワードはダイニングを出た。廊下ではロドルフが背筋を正して待っていた。  エドワードの姿に気づくと顔を向けてきた。 「ロドルフ、ありがとう」 「では、部屋へ戻りましょう。この後はハーリー医師の診察です」 「うん。彼にもちゃんと症状説明しないとね」

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