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第87話

「おはようございます、エドワード殿下」 「おはよう、ハーリー。今日もよろしくね」  ハーリーはエドワードの前に椅子を置いて、エドワードを向かい合う形で座った。 「では、まずは触診から。エドワード殿下、失礼しますね」  そう言ってからハーリーはエドワードのシャツのボタンを一つずつ外していく。完全に脱ぐわけではないけれど、ロドルフに肌を見せるのが少し恥ずかしい。おまけに、鍛えてはいるもののロドルフのようにしっかりと筋肉がつかない身体が、情けなく思ってしまう。  それでも、ハーリーはエドワードの心の中を全く気にすることなく、ぺたぺたと胸や腹を触っていく。 「身体的な変化はありませんね。日常の方はどうですか?」 「良くも悪くも変化はないかな。相変わらず突然出てくるけど、まあ、精を出したら落ち着く……」 「頻度が増えたり減ったりも?」 「な、ないよ……。減ってくれれば嬉しいけど……。あ、あとね……」  言いたくないけれどキスのことも言わなければ。エドワードは一呼吸してからハーリーの顔を見る。 「キスしたら、精を出さなくても落ち着いたの……。時間はかかったけど、すって消えた」 「キス、ですか……。それってどんな感じですか? こう、唇同士をくっつけるとか、激しい感じとか」

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