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第91話

 エドワードの発情を対処した後は、必ず苦しそうな表情をしていたのだから。  だが、どうしても性交が必要になった場合、真っ先に相手として浮かんだのはロドルフだった。ハーリーのことは全く知らない間柄ではないが、何年も一緒にいてよく知っているロドルフの方が安心感があった。  ロドルフには申し訳ないと思いとても口には出せない。万が一のことがないようにしなければ、エドワードはそう決心した。 「殿下」 「ロドルフ」  エドワードとロドルフの呼びかけが重なる。あっ、と、エドワードは小さく声を漏らしてからロドルフに話すよう促した。 「そういえば明日の予定ですが、久しぶりに街の見回りはいかがでしょうか? 民と話すことで気晴らしにもなるかと思いまして」 「うんっ、そうする。呪いをかけられる前から全然行けてなかったから、たまには違うこともいいね」 「承知いたしました。では、オリヴェルに伝えてまいります」  失礼します、と、ロドルフは一礼して部屋から出ていった。  ようやく一人きりになって、急に身体の力が抜けてソファにもたれかかった。

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