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第94話
「エドワード殿下がいらっしゃるよ!」
「ロドルフ団長も!」
二人の姿に気づいた人々は、それぞれ声を出しながら嬉しそうに見ていた。
今は騎士団員としてのエドワードだが、人々にとっては関係ない。エドワードは第二王子として笑顔で手を振りながら歩いていく。
まるでパレードのように進みながら、商店の並ぶ通りを抜けていった。木々が等間隔に植えられた道の先は、住宅街だ。歩く人の姿が一気になくなり、歩く音以外聞こえないくらい静かであった。
王城よりもとても小さな家が並び、エドワードはいつもこの景色が見ていて楽しい。
「この辺も異常はなさそうだね」
「そうですね。この辺りは見通しがいい場所なので、比較的平穏な地域です」
「この国全部がそうだったらいいのに……」
「それはそれでありがたいですが、我々騎士団の役目が縮小してしまいそうで複雑ですね」
「あー……それはちょっとまずいかも」
たとえ魔物の脅威がなくても、災害や隣国との戦いが起きてしまったら、壊滅的な状況になってしまうだろう。国を維持するためには、騎士団の存在は必要不可欠だとエドワードは考えている。
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