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第96話
ロドルフは子どもに対しての接し方も上手いと前々から感じていた。
エドワードよりも頭一つ分身長が高いので、目線を下げて相手に威圧感を与えないようにしている。ちょっとした気配りが子どもたちからも好かれる要因にもなっている。
「俺、ロドルフ団長みたいに強くてかっこいい騎士になりたいです!」
「俺も俺も!」
「ははっ、ありがたいな。もう少し大きくなったときを楽しみにしてるよ」
少年たちが思い思いに入団希望を口にしている姿に、ロドルフは無邪気に笑っている。
そんな姿に、エドワードも嬉しくなった。子どもたちが騎士団に憧れてくれていること、ロドルフが多くの人に好かれていること、それによってロドルフが笑っていること。
エドワードは、改めてロドルフの笑っている姿が一番好きだと思った。いつまでも見ていたい、エドワード自身の行動で笑顔にさせたい。
今すぐできることは限られているけれど、早く解呪すればもっとたくさんのことができるかもしれない。エドワードは明日からまた日々の鍛錬を頑張ろうと、一人で静かに決意した。
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