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第98話
「ロドルフは相変わらず人気だね」
「殿下にはかないませんよ」
「そんなことないよ。だって、さっきの少年たちロドルフを先に見つけてた気がするよ。それに、みんな騎士になりたいって」
「我々の行動がいい影響を与えていると感じられて嬉しいです。彼らに裏切られないように日々行動したいです」
ロドルフは優しさに満ち溢れた笑顔を浮かべていた。
他愛のない会話を自然と行っていることも相まって、エドワードは嬉しくなってロドルフから目を離せなかった。
「殿下、どうかされましたか……?」
「う、ううん。ロドルフが嬉しそうにしてたから……」
「そんなに顔に出てましたか……。失礼しました」
「そうじゃなくて。ロドルフが笑っててくれると僕も嬉しいから、もっと笑っててほしいなーって」
「私も、殿下が笑っていられるお姿の方が嬉しいです」
エドワードだけにロドルフの笑みが向けられている。このまま、ロドルフのこの表情をひとり占めしたい。
気づけば少し鼓動が速くなっている気がした。
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