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第99話

 これが恋だとするならば、いつもロドルフの笑顔を見てドキドキするのもおかしくない。  けれども、ロドルフはどう思っているのだろうか。自らの気持ちも分からないところで伝えてしまうのは、ロドルフを困らせてしまう。  エドワードは言葉を必死に飲み込んだ。それでも、胸の高鳴りは治まる気配を見せなかった。  見回りのルートを辿り終えて、エドワードとロドルフは王城へ戻ってきた。見回り用の剣を武器庫に戻すために鍛錬場へやって来たが、皆はまだ模擬戦中だった。 「今は集中してもらいたいから、こっそり戻そう」 「分かりました」  気配を気づかれないように武器庫へ向かい、剣を戻した。 「お疲れさまです、殿下。お身体は大丈夫でしょうか?」 「うん……。久しぶりに民とふれあえて楽しかった」  時間が経てば治まるだろうと思っていたドキドキがまだ続いていた。ロドルフを意識したせいにしても、やけに長い気がする。  ロドルフに気づかれないように早く部屋に戻ってしまおう。エドワードは早足で鍛錬場を出ていった。  廊下を歩いて自室に近づいていくうちに、鼓動がどんどん速くなっていく。これはまるで、発情の合図だ。

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