102 / 171

第102話

 あまりにも激しいキスに、エドワードはロドルフの手をぎゅっと握る。  すると、ロドルフも握り返してくれた。同時に、絡まる舌がより深くまで触れてきた。 「んうぅ! んむっ……」  まるでロドルフが求めてくれているような気がした。あくまで対処してくれている、と何度も頭で言い聞かせているが、気持ちよさに身体は落ち着きをなくしてしまっている。  発情が治まるどころか、余計に激しくなっている。だが、ここでロドルフと離れてしまいたくない。  エドワードは空いている左手をもぞもぞと動かし、ようやく伸びたところでロドルフの背中に回した。  そのとき、ロドルフはビクリと身体を震わせてから舌の力を抜いてしまった。そしてゆっくりとエドワードから顔を離していった。 「んぁっ……」  口元から一瞬糸が現れたかと思ったらすぐに消えてしまった。そのすぐ後ろには、苦しい表情をしたロドルフの顔があった。  ロドルフに仕方なくキスしてもらったのに、エドワードはもっとしてほしくてしょうがなかった。  そう思っているうちに、身体は落ち着きを取り戻していった。 「落ち着かれましたか、殿下?」 「……うん。大丈夫みたい」  ロドルフは握っていた手を離して、反対の腕をエドワードの肩に回した。そしてゆっくりと上体を起こす。

ともだちにシェアしよう!