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第103話

「ロドルフ、ありが……っ!!」  突然激しい痺れるような感覚がエドワードの全身を駆け抜けた。治まったはずの発情が再びやってきたようだ。 「殿下!!」 「な、なんで……あっ、苦しいよ……」  ここまで短い間で発情したことはない。唾液でももう効果が出なくなってしまったのだろうか。  エドワードは全身の震えが止まらず、呼吸が苦しいくらいに鼓動が速くなっていた。  キスでどうにもできないならば、残っている手段は一つしかない。 「ハーリーを、呼んできて……」  絞り出すようにロドルフに告げる。ハーリーなら一時的な処置としてやってくれると言っていた。  だが、ロドルフは無言で立ち上がって、テーブルの方へ行ってしまった。どうして、と問いかけられずに見ていると、手に潤滑油の入った瓶を手にしていた。 「その必要はありません」  低い声でそう言ったロドルフは、ベッドに腰かけるなりエドワードに唇を重ねてきた。触れるだけのもどかしいキスであるが、敏感になっているエドワードには十分な刺激だった。  衣擦れの音がして何事かと思っていたら、エドワードの首元がすっと緩んで、胸部や腹部までもがやけに涼しく感じた。

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