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第112話
ドキリ。明らかに発情とは違う鼓動だった。
同時に、エドワードはロドルフのことをただの騎士団長で仮初めの専属騎士と思ってないことをはっきりと自覚した。
こんな姿でと情けなく思ってしまうけれど、今までのことを考えると納得しかなかった。
「殿下……大丈夫、ですか?」
「うん……」
「よかった……。では、抜きますね」
ロドルフはゆっくりと抜いていった。潤滑油と白濁のせいで、ぐちゅりと卑猥な音を立てている。
完全に抜けたところで、埋め尽くされていた孔が喪失感に包まれた。一方で、全身を包み込んでいた激しい感覚はいつの間にかなくなっていた。
「本当に治まってきたよ。すごいね……」
エドワードはベッドに倒れ込んだ。
「お身体は辛くないですか?」
「うーん、ちょっと腰が辛いかな」
いつの間にか衣服を整えて立っていたロドルフは、エドワードに微笑んでいた。だが、いつになく苦しそうな表情でもあった。
同性相手で辛かっただろうに、エドワードだけが浮かれていて申し訳なさに包まれた。ロドルフも男で、いずれ令嬢と結婚するだろうに、エドワードの相手をさせられて。
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