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第115話

 頭の中にはロドルフの姿が消えずに浮かび上がり続けている。  いつも見ているロドルフの優しい笑顔は、胸が締めつけられつつもずっと見ていたい。  ロドルフのキスは、発情が治まっても柔らかい感触が残ったままだった。  対処のためにした性交は、ロドルフが初めての相手で嬉しかった。  呪いがかかってしまってからロドルフがずっとそばにいてくれて、安心感しかなかった。  ロドルフだけでなく、フィリップやレオナルドも心配させているけれど、呪いのおかげでよくも悪くも自分自身の感情に気づけたエドワード。  だが、自らだけが満足していいのだろうか。ロドルフに感謝がないように思えてしまう。  このまま自身の想いを押し殺して、エドワードもロドルフと同じように苦しめばいいのだろうか。それもどこか違うような気がした。  誰も苦しまない答えを知りたくてしょうがない。それができるのであればよかった。そう簡単に都合のいいことがあるわけがない。  今最優先ですることは、魔物を討伐して解呪することだ。そのことだけを考えていればいい。

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