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第117話
ロドルフと身体を繋げたあの日から、エドワードに変化があった。
今まで毎日のように発情していたのが一切なくなった。そのおかげでエドワードは日常生活を何事もなく過ごせ、鍛錬の時間が今まで通りとなった。
その場凌ぎで治めるつもりだったので、予想外に効果があったことに驚きを隠せなかった。
しかし、手放しで喜べる状況ではなかった。
あの日から、エドワードとロドルフとの間に見えない壁ができた気がした。会話をすればなんともないけれど、必要最低限の会話しかしていない。ロドルフとの気兼ねない雑談も楽しかったのに、それが一切できていない。
さらに、ロドルフはエドワードといつもより少し離れて接しているようだった。触れてはいけない、そんな気配を感じた。
エドワードはロドルフとの時間が圧倒的に減ったように思えて、時折寂しさを覚えた。だからといって、エドワードの方からロドルフに話しかけようとも思えなかった。
きっとロドルフは、発情の対処とはいえ性交してしまったことに罪悪感に苛まれているだろう。気にしなくていい、その一言を気軽に口にしても、ロドルフは結局気にしてしまいそうだ。
呪いが解けた後も気まずい状態が続きそうなので早く言ってしまった方が楽になれるかもしれないけれど、エドワードも声をかけられなかった。
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