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第119話
「そういえば、目が光る前に笑ってた気がする……。口が裂けそうなほどぐいって」
エドワードは両手の指で口をぐいっと広げていく。とても人間ができるような動きではないと改めて思った。
「それも目印になりそうですね……。これらをふまえまして、前回討伐時よりも少ない五人の精鋭部隊にて行います」
ロドルフは部隊参加予定者の一覧を出した。皆いつも模擬戦で勝つことが多く、前回の討伐に参加していた者もいる。ロドルフが本気で魔物の討伐をしようということがよく分かる。
「前回魔物が現れた場所は把握しております。しかし、基本的にゴブリンしかいない場所で、その魔物は動きが我々よりも制限があるため身を潜めている可能性が高いと考えられます」
「確かにな……」
フィリップは紙を見ながらロドルフの話を聞き、じっくりと考えている。基本的なところには問題なさそうだが、何か引っかかっていることがあるようだ。
「ロドルフ、魔物が現れるための策はあるのか?」
「もちろんです。一人が囮になっておびき寄せて、魔物が現れたところを皆で狙っていこうと考えています。囮役は私が務めます」
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